緑内障について

眼圧が上がり視野欠損が起こる緑内障

眼の奥の視神経に異常が起こり、眼圧が上がって視野が狭くなったり、一部分が見えなくなる「視野欠損」が起こる眼疾患を緑内障と言います。
緑内障は、病状がゆっくり進行するため、気づいた時には進行していることが多くあります。一度失われた視野や障害された視神経を回復する手立てがありません。そのため、早期発見と早期治療によって病気の進行を抑えることが重要です。

こんな症状は緑内障かも

こんな症状は緑内障かも

  • 見える範囲が狭くなる(視野狭窄)
  • 視野の一部が見えにくい(視野欠損)
  • 視力低下
  • 生活の不便さ
  • 眼のかすみ・痛み・充血
  • 頭痛・吐き気

緑内障の原因

神経が圧迫されて障害を受けることで緑内障を発症します。そのほとんどが、眼圧が上がる・高くなることが発症と病状の進行の原因となっています。眼の中を満たしている房水の排出がうまくいかないことから、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障の2つのタイプに分類されます。

緑内障の検査

視力検査・細隙灯顕微鏡検査・眼圧検査・眼底検査・隅角検査・光干渉断層計(OCT)・視野検査などを行います。

①眼圧検査

緑内障の診断と管理に非常に重要なのが眼圧です。測定には2種類で、測定チップを眼に直接接触させて行うゴールドマン圧平眼圧計、眼に空気を当てて測定する非接触型眼圧計があります。眼圧は、角膜の厚みや剛性などの眼の構造に影響されやすいため、数値だけで判定できるものではありません。また、季節や運動・体位によっても影響されやすく、1日のうちでも変動します。

②隅角検査

緑内障の種類や病状の判断に行う検査です。点眼麻酔後、専用コンタクトレンズを眼に当てて観察します。

隅角の開閉や癒着・房水流出部の色素沈着の有無などを確認して、緑内障の病型や病状を判断していきます。

③眼底検査

視神経の障害程度を調べます。眼底にある視神経乳頭が集まる部分に異常がないかを確認します。
眼底検査では、緑内障以外の疾患の有無も観察できます。

④視野検査

緑内障の診断と経過観察に重要な検査です。病状に応じてさまざまな検査機器とプログラムがあります。機器の前に座って、小さい光が見えたらボタンを押すことで、見える部分や見えにくい部分を調べていきます。

緑内障の治療法

一度失った視野や視力や障害された視神経を回復し、完全に治すことは難しいとされています。基本的に緑内障の治療は、今の症状を悪化させないことを目的として行われます。これ以上視野が欠けるのを防ぎ、病状の進行するスピードを遅らせて、生活の質と見える範囲や質を維持していきます。眼圧が高いと視神経が傷つきやすいため、眼圧を下げて緑内障の進行を抑えることが重要です。
主に、薬物治療・レーザー治療・手術治療の3つがあります。そのうち、原発開放隅角緑内障は、点眼薬による治療・レーザー治療が検討されます。点眼やレーザー治療でも十分に眼圧が下がらない場合は、房水の流れを促す手術治療を行います。また、原発閉塞隅角緑内障では、手術治療・レーザー治療を行います。白内障が原因の場合は、まず白内障手術を行うことがあります。

点眼薬による治療

点眼薬による治療原発開放隅角緑内障の多くで用いられる療法です。緑内障の種類や眼圧の程度・進行度・眼の状況に応じて最適な薬剤を1種類、或いは複数種類を組み合わせて処方する場合があります。

レーザー治療

レーザー治療線維柱帯が目詰まりを起こして房水の通りが滞っている場合は、レーザーを照射して房水の通りを促進させます。レーザー治療を行っても眼圧が下がらない場合は、手術治療によって房水の流れを促します。

レーザー治療は四條畷市の松山眼科クリニックのみで行っております。

レーザー虹彩切開術

眼の虹彩部分に穴を開けて房水の流れを良くしていきます。術後は少しかすんで見えますが、数日で改善します。

選択的レーザー線維柱帯形成術

点眼治療のみでは十分に効果が得られなかった方や、不規則な仕事などによって点眼を忘れることが多い方、緑内障点眼治療による副作用がつらい方、妊娠中や授乳中のために点眼治療が出来ない方などに適した治療方法です。術前に、眼圧上昇予防の点眼と麻酔薬の点眼を行い、眼の上にコンタクトレンズを乗せてレーザーを照射します。レーザー照射後、眼圧予防のために点眼し、30分~1時間後に再度眼圧上昇がないかを確認します。
術後の炎症を予防するために術後1週間ほどステロイド目薬を点眼します。治療後すぐに通常通り生活できるので手軽な治療とされています。

マイクロパルス線維柱帯形成術

レーザー線維柱帯形成術は、レーザーの種類によって線維柱帯形成術・選択的レーザー線維柱帯形成術・マイクロパルス線維柱帯形成術の3つに分類されます。マイクロパルス線維柱帯形成術は、組織損傷を起こさないように、同一部位に再度レーザーを照射し、眼圧降下が再度期待されます。緑内障の進行を抑えるためにも有効な治療方法です。

毛様体光凝固術

毛様体光凝固術レーザーで毛様体に熱を加えて房水の排出量を増やす治療法が毛様体光凝固術です。切開が不要なため日帰り手術が可能です。

毛様体光凝固術について
詳しくはこちら

手術

手術

緑内障手術治療は四条畷市の松山眼科クリニックのみで行っております。

トラベクロトミー(流出路再建術)

線維柱帯の目詰まりに対して行う薬物治療やレーザー線維柱帯形成術でも十分な眼圧降下の効果が見られない場合には、トラベクロトミー(流出路再建術)という手術治療が行われます。強膜を切開して、眼球外側から線維柱帯を切開することで目詰まりを解消し、房水が流れるのを促します。

トラベクレクトミー・エクスプレス(濾過手術)

濾過手術といって上記の手術治療でも効果が得られない場合や眼圧を10mmHg前後にする場合に行う手術です。従来のトラベクレクトミーに加えて、2011年に厚生労働省によって認可が下りたインプラントを用いたエクスプレス・濾過手術を行っています。エクスプレスは、従来のトラベクレクトミーに比べて合併症が少ないとされています。

チューブシャント手術(バルベルトインプラント)

チューブシャント手術(バルベルトインプラント)最新の緑内障手術として効果が期待できるとして注目を浴びているのがチューブシャント手術です。
日本では、2012年より保険適用となり、2種類のロングチューブとそれに繋がっているプレートによって実施します。前房腔・硝子体腔に挿入したシリコン性のチューブを通して、房水が眼内から外に流します。房水は強膜に固定されたプレートから吸収されることで眼圧下降を図ります。

緑内障レーザー費用・緑内障手術費用

緑内障レーザー費用

1割負担 3割負担
レーザー虹彩切開術 約10,000円(片眼) 約30,000円(片眼)
選択的レーザー線維柱帯形成術 約10,700円(片眼) 約32,100円(片眼)
マイクロパルス線維柱帯形成術 約10,000円(片眼) 約30,000円(片眼)
毛様体光凝固術 約6,000円(片眼) 約18,000円(片眼)

※治療内容や投薬内容により、費用は多少前後する場合があります。あくまで目安の費用となります。

緑内障手術費用

1割負担 3割負担
トラベクロトミー
(流出路再建手術)
約18,000円(片眼) 約60,000円(片眼)
トラベクレクトミー・エクスプレス
(濾過手術)
約18,000円(片眼) 約75,000円(片眼)
チューブインプラント手術
(エクスプレス・チューブなし)
約18,000円(片眼) 約108,000円(片眼)
チューブインプラント手術
(バルベルトインプラント)
約18,000円(片眼) 約120,000円(片眼)

 ※治療内容や投薬内容により、費用は多少前後する場合があります。あくまで目安の費用となります。

白内障と緑内障の同時手術

白内障も緑内障も自覚症状として現れるのが遅いため、症状に気付いたときには病状がかなり進行している状態とされています。白内障なら「見えづらさ」、緑内障なら「視野が欠ける」症状が主に見られます。どちらも加齢によって発症率が高くなり、とくに高齢の方には白内障と緑内障を両方発症している方が多いとされています。この場合、精密な検査の結果など総合的な診断によって同時手術を行われることがあります。

同時手術によって得られる効果としては、

  • 眼圧が下がる
  • 水晶体が透明になるので視野検査がしやすくなる
  • 他の眼疾患を発見しやすくなる
  • 緑内障発作のリスクが下がる
  • 点眼しやすくなる

などが挙げられます。

白内障の進行程度や緑内障の病型・視野の程度・眼圧の程度などを見極めて検討されます。

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